第15回:砂子塾長の熱血ドラテク持論

インストラクターとして、アマチュアからプロまで数多くのドライビングを見てきた砂子塾長の連載コラム。自身の持論をもとに、スキルアップを願う読者にエールを贈る。第15 回目は「見た目がもたらす幸福」についてサーキット走行はゴルフよりもお金が掛かる高貴な趣味そこまで気(お金)が回らないのもわかるけど少し気が遣えたら、取り巻く環境も変わるハズ……という話

見た目は重要だ!

フジテレビ木曜22時からのドラマ『人は見た目が100%』… 見てませんけど… ズバリ、それが今回のテーマ。

いまさら語るまでもない心理学での見た目、第一印象で90%の人がその人を判断してしまうのを、心理学用語で『初頭接触効果』というらしい。顔、髪型、体型、ファッションの印象で、その人の性格までも判断してしまうのだ。

いきなりの無愛想はもってのほか(笑)。このコラムで頻繁に登場する『公的自己美意識』で、「どう思われるか?」「どう思われたいか?」である。

服装の印象に関する面白い実験がある。とある会社の上司が夏場に半袖Yシャツで仕事をしてみた。すると… 長袖Yシャツを上司が着ていたときより、部下たちの遅刻が増え、また昼休みの時間が長くなったという。つまり、上司の威厳がただ半袖Yシャツひとつで落ちてしまったという結果なのである。また、交渉するときにはネクタイ。これも定説だ。古くからの習慣から潜在意識に絶対的安心感を与えるアイテムなのだろう。

さらに面白い実験データがある。美人を連れていると、その男の評価が上がる! というデータだ。「そんな美人と一緒にいられるのだから、その男はいろんな意味で成功し、実力もある人物なのだろう」と、勝手に思われる…。ちなみに、逆パターンはとくにないそうで、イケメンを連れていても、女性の評価は上がらない(笑)。

女性の印象はハイヒールだけでよくなるといわれる。ヒールは背筋を伸ばし、ヒップが突き出る姿勢をつくる。そりゃ、男の好物だ(笑)。とくにオレには効果テキメン!

そんな簡単なことで印象アップなら、ファッションに気を遣うべきだ。また、フォーマルなスーツを着ている日は男としての自信が意味もなく湧く。気になるコンプレックスもイケテル服に着替えることで隠せるものだ。

マリンスポーツ全般にいえるのはお洒落な人が多いこと。海好きは海から上がった後のスタイルもクールである。

では、サーキットは?ヨレヨレのメカニックスーツ、ダボダボで油汚れが年期を漂わせるレーシングスーツ。走行後の着替えたファッションも……(汗涙)。初めて走行会に連れて来られた女子目線からすると、とてもじゃないがカッコよく見えないのが事実であろう。

憧れるスポーツ、憧れる世界でなければならない。そこにいる人の見た目の印象でその世界の見え方は変わる。最初にスーパーGTを見れば、レーサーはそりゃカッコよく見える。プロフェッショナルはプライベートファッションもイケテいなくてはならない。

何もブランド物で身を包め!などと野暮なことをいうつもりはない。少しは気を遣ってお洒落にね、というくらい。ブランド物に固執する人ほど自信がないのも心理学の定説だ。毛皮などは言語道断。時代錯誤も甚だしい。いい物、似合う物をさり気なく着こなす。

また、優秀なメカニックほどメカニックスーツを汚さない。そして、手もきれいだ。繊細な金属のバリすら感じ取るにはきれいな指でなければならない。

話は外見に戻るが、イケメンほど面白みに欠ける(笑)。これはオレの経験による独断だが、的は射ていると思う。昔から三枚目のオレなどは女性の気を惹くために懸命に笑わす。二枚目は女性からチヤホヤされて笑わす必要などないのだから、当然といえば当然。

考えが顔や表情に表れ、ライフスタイルがボディラインに示される。カッコよく生きよう。そして、楽しもう。お洒落した自分は意味もなく自信が持てるし、異性にもモテる。パリっとしたカッコいいレーシングスーツを身にまとえば、いっぱしのレーサーだ。

53歳にして、未だ「チャラい」などといわれるオレだが、褒め言葉と信じて、自己流のお洒落とコミュニケーションに励んでいる(笑)

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