第67回:砂子塾長の熱血ドラテク持論

※ この記事は2023年にRevspeedコラムで掲載された記事です。


タイタン潜水艇事故と深海の恐怖

大西洋の海底に眠るタイタニック号の残骸がある海底はなんと水深3800mであるそうだ。なんと富士山を逆さにしても届かない深さで、当然のことながら気圧は380気圧という想像不可能な圧がかかっている。

先月、起きたタイタニック号見学ツアー中に行方不明となった米潜水艇タイタン。深海冒険の非日常をうたい文句にしながら、なんと不測の事態で死亡する可能性があり、その同意書にサインを参加者に求めていたのだという。

また、安全機関から承認も認定も受けていないと説明し、唯一の「のぞき窓」は水深1300mまでの耐久性しか保証されてなかったのだと・・・。

も、これって自殺レベルやん。自殺にお一人25万$、3500万円とはお金の感覚も度が過ぎる冒険心も麻痺しすぎだ。

解明はされていないが、おそらく海底で圧力により潰された可能性が高いらしい・・・怖すぎる。

この潜水艇タイタン事故直後から映画「タイタニック」のワンシーンがSNSに溢れ、プチブームの再来となった。自身も久しぶりにテレビでもはや説明不要の有名なジャックとローズの物語を見た。

 

映画「タイタニック」の行動と危機対応を考える

タイタニックが氷山にぶつかり、大騒ぎになっていくあたりからこの二人の行動には少々イラっとさせられる。この手のドラマを見るとエマージェンシー時に自分ならどのような行動を取るのか、はてまたどのように動くべきなのかを想像、考察してしまう。

そもそも一旦、ローズは救命船に乗ったのに、一時の感情に流され救命船から自ら降りている。

「ジャックは必ず大丈夫。彼なら生き延びてくれる。」

そう信じて救命船に乗っていれば。ラストシーン、ローズがいるからジャックは板に乗れなかったではないか・・・。

そもそももっと巻き戻してみよう。氷山衝突から沈没までの時間は2時間40分だったという。船には相当な数の机があったであろう。

そして何百もある客室の木製ドアも外せば充分な浮力を持つ。ドライバー1本あればL金具は外せるし、綺麗に取る必要もないわけだからバールで壊せばいい。

こんな時に必要なのは冷静に動くべきリーダーである。

劇中ではタイタニック船長であるエドワード・スミスや設計者であるトーマス・アンドリューズがタイタニックと共に沈む覚悟のシーンが美談的に描かれているが、オレ的には冗談じゃない!

最後の最後まで1人でも助ける事に尽力すべきである。感慨深く死んでる場合じゃない。

で、さらに言うとあの日、大西洋上には氷山の警告が出されているのも関わらず、船首にサーチライトもなく暗闇の大西洋をたった二人の見張りで最大速度24ノット、およそ時速45km/hで突き進んでいたのだから信じられない。

事故はまさしく起こるべくして起きている。

 

「たら・れば」から学ぶ事故防止と再発防止の思考

なぜ、こんな事が起きたのか?

これはレースや普段のスポーツ走行などでも接触シーンに代表される「たら・れば」だ。こうすれば良かったのに。どうすればこのアクシデントは防げたのか?そう、この事後検証は絶対に必要である。

簡易的にはドライブレコーダーでもいいだろう。今どきは5000円もだせばGoProまがいの高性能カメラが買えるのだから必ずスポ走時には装着しておこう。

これは避けられないものだったのか?巻き戻しは現実には出来ないが検証する事で今後の同じようなミスを軽減しなくてはならない。

レイトブレーキによる追突。

このシーンでの多くがフルブレーキステアである。つまりステアする事によりより「止まらなく」なる。どうすれば良いか?ステアせずにブレーキングすればより止ってくれるのだが、その瞬間に冷静になるのは困難で、それよりもレイトブレーキにならない再現性がそれ以上に重要なのだ。

 セリーヌ・ディオンの名曲「My Heat will go on」の歌いだし
「Every night in my dreams」毎晩夢の中で
「I see you,I feel you」私はあなたに会い、あなたを感じ。

 ローズは毎夜、ジャックと夢の中で会い続けた、84年も・・・。

 しかし、こんな悲劇は起きてはならないのだ・・・。


Revspeedで毎月コラム掲載