DG MotorSports MINI challenge SUGOラウンド

松本選手から悔しい!心中を語る手記が届きました。

もし自分がこの立場なら・・・生々しく想像しながら読んでみてください~

MINI CHALLENGE JAPAN
ROUND3 スポーツランドSUGO

「DG motorsports」
プロジェクトが1月からはじまり、ドライバーオーディションより選ばれた3名。

もてぎラウンドを戦った石井選手。
富士ラウンドを戦った為谷選手。

2人は当初の期待以上の素晴らしい活躍だった。

SUGOラウンドを戦う僕の自信にもなっていた。
「同じトレーニングしてるんだから俺だって出来るはず!」
それと同時に「2人がここまで築いた評価を無駄にする訳にはいかない、、」や「リスキーな菅生を任されている、、」とプレッシャーが重くのしかかる。。
僕はプレッシャーを楽しめるよう考えたが、流石に今回は重すぎる(笑)

8月11日に菅生の初走行。
初サーキット、久しぶりのミニカップカー。
普段から砂子塾長と東風谷さんに鍛えられてる僕には「乗れる」と根拠のない自信があった。
その日目標にしていたタイムはなんとかクリア出来た。根拠のない自信が自信に繋がった。

そこから1週間でレースウィーク。

スケジュールは2日間の練習と決勝ラウンド 。

練習走行での目標は36秒台。
改善ポイントは見えているから出る「はず」だが、
37秒という僕にとっては分厚い壁にぶつかった。

「やらかす訳にはいかない、、」
どうしても度胸1発の最終コーナーにクルマを放り込めなかった、、情けない。

決勝前夜、塾長と東風谷さんにロガーチェックとアドバイスをもらった。

「優等生で終わろうとするな。」

「チャレンジした結果やらかしても誰も責めない。」

この言葉が心に響いた

ホテルで1人東風谷さんの車載を見直し、イメージを作って、、

来たる決勝当日!

自身も天候もミニもコンディションはいい!

予選アタックは度胸1発最終コーナーに飛び込んだ!
「お前なら曲がれる!俺のミニ!」

ホントにそう思った。

それと同時に「まだアクセル踏んでイケる!」
とも思った。

ラップタイムは36秒5。

飛び込めた事が嬉しかった!

ピットインして内圧調整、
「どうする?まだタイム出そう?」と塾長の言葉に、
「ワンアタックいきますっ!」

セクター1自己ベスト。
セクター2は少し行きすぎ更新しなかったが、
もう一度最終コーナーに飛び込みたかった。

そして失敗した。
スピンモードに突入するミニをコントロール出来なかった。

えらい勢いでスピンしてグラベルに埋まった。

グラベルに埋まってしまったミニを見て申し訳なくなった。

「ごめん、ミニ。」

引きずり出してもらい、ピットに帰った。

砂利と砂埃にまみれたミニをみんなで綺麗にして各部をチェックしてくれた

泣きそうだった。
石井ちゃんと玉砂利兄弟と呼ばれるようになった(笑)

チームのみんなは暖かく、気持ちを切り替えて決勝に挑めた。

そして迎えた決勝レース1。
1周してグリッドに着く時、
チームのみんながグリッドで僕を待っていた。(当たり前か)

この瞬間「俺はレーシングカーでこのグリッドに並ぶために産まれてきたんだ、、」
(本人は本気でそう思ってます(笑))
昔から憧れていた世界に来た。

『ようこそ、モータースポーツの世界へ』

グリッドからライバルのクルマ越しに見る1コーナーまでの景色は一生忘れられない。

フォーメーションラップを終え、スタートを待つ。

シグナルブラックアウト!

ストールさせまいと無難にスタートしてサクッと抜かれた(笑)

落ち着いてバックストレート、スリップから馬の背でインを刺した。

「ここは俺のポジションだ!」

しかし、この時既にトップグループは遥か彼方。。

追いすがろうにも、ダメだった。
意識しないようにすればする程、ミニをコントロール出来なくなった時の恐怖がフラッシュバックしてマトモに攻めれなかった。。

本当に悔しかった。

トップグループにぶっちぎられ、1人寂しく3位チェッカー。

それでもピットウォールでみんながガッツポーズしてくれた。

「このチームで走れてよかった。」
「レース2!みてろ!」

ロガーチェックをし、改善点を確認。
レース2に向けて昂る気持ちを落ち着かせ、コースイン。

リバースグリッドで人生初のポールポジション!

無線で「しっかりタイヤに熱入れて!」
高まる気持ちを抑えてながら、ライバルを従えてのフォーメーションラップ。。

レインボーコーナー立ち上がって、バックストレートっ!!

「バキンっ!」

!!???

駆動が伝わらなくなり惰性で力なく進むミニ、、

何をやってもクルマは進まず、最終コーナーまで転がしたが力尽きてアウト側にクルマを停めた。

セーフティーカーで僕だけピットに戻った。
ミニと一緒に戻りたかった。。

「誰のせいでもない!」
「何年もレースやってればこんな事はいくらでもある!」

みんな励ましてくれたが、生きてきてこんなに悔しい事があるのかと思う程に1周も走れなかった事が悔しくて、応援してくれる人達に申し訳なかった。。

こうして、波乱に満ちた僕のデビューレースは静かに幕を下ろした。

オーディションで我々3人を選んで頂き、
ドライビングの術を叩き込んでくれた
砂子塾長、東風谷さん、ありがとうございました。

我々3人を導いてくれた
ダイワグループならびにDG motorsportsの皆様、ありがとうございました。

「頑張って!!」と送り出してくれたホンダカーズ埼玉南の皆様、
ありがとうございました。

本当に多くのご支援、ご声援のお陰で今の僕がいます。

「コイツが乗ってくれてよかった!」
と思ってもらえるような速くて強いドライバーになり、チーム全員で勝利の美酒を味わえるよう日々努力して参ります。
これからも宜しくお願い致します。

DG motorsports
松本 拓