第1回:コッチー事務局長のS耐挑戦記

いよいよスーパー耐久の現場に、ドライバーとして挑む日が来た。ただただ「上手くなりたい」一心でTVCに通い5年の月日が流れた。まさか、20代で一度は諦めた舞台に42歳で叶うとは…諦めの悪い事が幸いした瞬間である(笑)

前日は緊張で眠れないかと思えば意外と爆睡。日々の寝不足がプラスに転じてラッキーだった(笑) 当日もリラックス。乗るまでは…

ピットは流石一流チームだけあり、レジェンドドライバー木下アニキに塾長、世界の荒選手、そしてBob監督にプロフェッショナルのメカニックと大所帯。

記念撮影したり動画撮影と目まぐるしく時が進んで行く。ドライビングの事を考える余裕などなく、今思えばこの辺りから「雰囲気に飲まれていた」と今更ながら思う。

そしてテストは始まった。いよいよである!スタートは僕が担当。予定通り雨が降ってきた(笑) タイヤは中古スリックでマシンチェックからのメニュー。この状況は昨年のMINIチャレンジでも、たびたび遭遇したので冷静だった。

しかし…
前車の水しぶきで前が見えにくい状況で気がついてしまった。

昨年までのFFとは違い、今年はハイパワーFRレーシングカー
雨&スリックタイヤの組み合わせで各コーナーで暴れる…
暴れる車は昨年の3倍超の価格。。。マジでビビった(汗)

ようやくレインタイヤに交換し再度コースイン。
当たり前だが、自分のウォームアップする時間などなく、テストメニューを次々に進めなくてはならない。昨年は自分のみだったが、今年は3人が乗車する為、乗る時間も制限される。

自分を落ち着かせるため、ぶつぶつ話始めた。

『この緊張感を楽しもう』
『前日のTVCでは塾長よりコンマ2秒速かったから、シミュレーターと同じように乗れば平気だ!』と呪文を自分に掛けたがダメだった。

ビビりからか、【置きにいった】運転をしてしまう。途中それに気付き、メンタルを修正して走ると言う、何とも不甲斐ない内容となってしまう。

2018年にレース復帰した際、自分と塾長と交わしたルール…「遅い者は去れ」である。

復帰3年目でBMW Team Studieのマシンに乗れるなんて夢にも思わなかった。ただ乗るからにはパフォーマンスが足りないなどプロの世界では許されない。

この言葉か重くのし掛かる大変なシーズンが始まろうとしている。