【事務局長論】スーパー耐久前半戦を終えて。「速く走ろう」としなくなって、速くなった。

ENEOS スーパー耐久シリーズ2026 Empowered by BRIDGESTONE

ST-TCRクラス #19 BRP★TONE制動屋NUTEC CUPRA TCR

スーパー耐久も前半戦が終わりました。

結果だけを見れば、

  • 開幕 鈴鹿:マシントラブルによりリタイヤ
  • 富士24時間:クラス優勝
  • 菅生:Gr.2クラス総合優勝

という前半戦でした。

もちろん結果は嬉しいです。

でも、自分の中で一番大きかったのは順位ではありません。

「運転の感覚」が去年とはまるで違うこと。

去年は運転するだけで精一杯でした。

思うようにタイムが出ない。

決勝でもラップタイムが揃わない。

自分では頑張っているつもりでも、結果に繋がらない。

正直、自分の力不足を痛感する一年でした。

今年は、ようやくレースをしている気分です。

周りを見る余裕が生まれ、状況を判断しながら走れる。

それが、今年一番大きな変化なのかもしれません。



その変化を最初に感じたのは開幕戦の鈴鹿でした。

決勝はマシントラブルでリタイヤ。

結果だけ見れば悔しいレースです。

でも走り始めた最初のセッションから、

「あれ?」

という感覚がありました。

今年は去年と何か違う。

タイムも悪くない。

何より、無理をして速く走っている感じがありませんでした。


富士24時間は、走り慣れたコースということもあり、余計な力みはありませんでした。

以前は苦手意識のあった夜間走行も、今年は落ち着いて走ることができました。

周囲を見る余裕があり、状況を判断しながら走れている。

「頑張って走る」のではなく、「必要なことを考えながら走る」。

そんな感覚で24時間レースを終えることができました。


そして菅生。

金曜日のフリープラクティスで、初めてBドライバーより速いタイムを記録しました。

もちろんBドライバーは他車に引っ掛かる場面もあり、単純比較はできません。

それでも、去年までなら、その状況でも上回ることは考えられませんでした。

だからこそ、自分でも驚きました。


この変化を「クルマに慣れたから」と片付けたくありません。

自分の中では、もっと違うものを感じています。

以前より景色がゆっくり流れる。

周囲が見える。

そして、走りながら考えられる。

限界まで必死に操作しているのではなく、

余裕を持って運転できる時間が増えた。

それが、一番大きな変化です。

砂子塾でもよくお伝えしていますが、余裕がなくなると、人は考えられなくなります。

考えられなくなると、操作は雑になり、再現性も失われます。

これはレースでも全く同じでした。

速く走ろうと力むほど、余裕はなくなります。

逆に余裕が生まれると、周囲が見え、判断できるようになり、結果としてラップタイムも安定してきます。

今年の前半戦は、自分自身がそれを実感するシーズンになりました。


もちろん、まだ課題もあります。

一番の課題は、決勝でのラップタイムです。

予選やフリー走行では手応えを感じられるようになりましたが、決勝ではトップドライバーと比べると、

まだ0.5〜1秒ほど届かない場面があります。

そして、そのタイムを安定して刻み続けること。

耐久レースは、一発のベストラップを出す事ではなく

同じタイムを何周も並べ続けることが求められます。

その部分は、まだ自分自身の課題です。


去年は、何を変えれば速くなれるのか分からず苦しみました。

今年は違います。

目指すべき方向が見えています。

後半戦は、決勝ラップをさらに0.5〜1秒縮めること。

そして、そのタイムを何周でも再現できるドライバーになること。

前半戦で得た手応えを、自信ではなく結果に変えられるよう、残りのシーズンも一戦一戦積み重ねていきたいと思います。