第70回:砂子塾長の熱血ドラテク理論「AIヒューマノイド」

2023年雑誌Revspeed掲載

 1984年公開の映画「ターミネーター」。

説明の必要もないシュワちゃんことアーノルド・シュワルツェネッガー主演のSFアクション。

 2029年、人類は機械軍と壮絶な戦いとなっていた。その原因はスカイネット社のAIコンピューター

が「人間がこの地球で一番の諸悪根源」と判断しAIが人間を攻撃し始める・・・。

 そんなストーリーから始まるこの映画がもう「現実」にもなろう としている。

この映画の監督を務めたジェームス・キャメロン監督もAIの軍事活用化に警笛を鳴らしている・・・。

2023年チャットGpt元年となった。そしてAIは2024年大きく飛躍し、様々な分野での活用が期待される。

 世界中で研究される「人の知能は作れるのか?」

イギリスのエンジンアード・アーツ社が製作したアメカと名がつくAI人型ロボット(AIヒューマノイド)

にNHKがインタビューを試みた。

 「日本語は話せますか?」と聞けば流暢な日本語が返ってくる。

「好きな音楽は?」と問えば「最近ハマッてるのは米津玄帥のLemonです。」とアメカは答える。

 Aiには膨大な言語が入力されており、何兆もの単語のつながりから、その後に出てくる単語を予測

していく大規模言語モデルであるそうだ。

 さらにAIは心を理解していく。これは大きくAiを進化へと導いたそうで、この能力は言語能力の

副産物となる。そうなると知能=予測能力とも言えるであろう。

 人間の素晴らしさは創造性であるのだが、これまた凄いプロジェクトがある。漫画界のレジェンド

手塚治虫氏の過去作品を全てAIにインプットし、AIにブラックジャックの新作を創造させると言うのだ。

 そこにはただの医療ストーリーに留まらない、恋愛や友情、冒険といったペーソスが必要となる。

 登場人物、テーマ、キーワードを入力すると様々なストーリーを造りだす。

それこそ、社内にある長々と要点がはっきりしないおバカ企画書なんて数秒で書き上げてしまうのだ。

 一方でAIが苦手?という表現が正しいか疑問だが「体験・体感」は身体を持たないAIにとっては

きな困難課題だ。

 例えば人は身体で風を感じる。みかんを食べれば、食感や匂いをそれぞれに感じる。

この体験は脳を大きく成長させるのだという。

 サッカーボールをドリブルするだけの4足ロボットを開発したが、

そのロボットは様々な路面、砂利、芝生、コンクリートで相当な苦労と試行錯誤を繰り返し

その習熟には数十時間を要した。ちょっと勘のいいセンス良き子供なら5分もかからずドリブル

をマスターするであろう。これこそが人間の能力なのだ。

 ならばシチュエーションがあまりに膨大なクルマの自動運転はかなり困難課題となるはずだ。

 ドライビングサポートはかなりの進化を遂げているが、レベル5と言われる完全自動運転は、

短時間、限定的短距離では成功しているが一般普及は少し先のようだ。

 それではスポーツドライビングはどうであろう。AIにも可能なのか?勿論、可能ではあるが

プロドライバーには到底及ばない。他のスポーツに比べ閉鎖空間であり、路面ミューが比較的一定

なサーキットは物理演算もしやすく、だからこそのシミュレーターの存在なのだが、データ学習効率、

エネルギー効率を考えてみてもAIはまだ人間の脳には勝っていないだろう。

 将来、消える職業ランキングにレーサーはかろうじてランクインしていない。笑

 しかし、この体験学習をバーチャル・仮想空間でAIに体験させるという試みも始まっている

そうで、本来なら何十年もの時間を要する体験を数時間で行えるというのだ。勿論、AIには寝る必要

も休む必要もないのだが・・・。

 前述のAiロボットアメカのロングインタビューで質問者が

「疲れたので休みましょうか?」

と問うと

「そうですね、少し休んでリフレッシュしましょう。」

「するともっといい意見が出るかもしれませんね。」とアメカは答えた。

さらにアメカに聞いた

「あなたは人間になりたいですか?」

「なりたいかどうかは分かりませんが人間のような知能は持ちたいです・・・。」

 と答えた。実に面白い・・・。ってか、怖い・・・。笑